えー、終わりました。ここまで読んでいただいたことに感謝します。本にして通販とかしますので、買っていただけたら物質的にも嬉しいです。
 
製本版ではまたあとがきを書くと思うのですが、とりあえず前のめりに書き終えた直後の感想を。
 
これ、書き始めたのが本編途中で昨年の5月終わりか6月アタマくらいでした。そのときは普通に本編に収められると思っていて、今ふりかえるとどうしてそんな胸算用ができたのか我ながら不思議です。今ワードに貼り付けてみたら、すでに出ている製本版と同じ体裁で250ページくらい行くみたいです。名前の****(△△△)はすべてルビになるので少しばかり減りますが、それでも追記をいくつか入れたらじゅうぶん一冊分になりました。これの校正と修正をするのかと思うと今からうんざりします。
 
書き始めた動機はたったひとつ、『グラップラー刃牙』の最大トーナメントをやってみたかったなあ、と。主人公格の人間もその大会でぽっと出てきた人間も等しく強く誰が勝つかわからなかったこの大会は本当に面白かったです。
でもベスト4の四人の本編でのセリフ全部足しても多分同じく本編の葵の発言数に負けます。そんな大会は果たして同じ世界観なのかと思います。もうちょっと主人公クラスに融通きかせてもよかったかもしれませんが、四人とも本編を書いているときからピックアップしたかった人間だったのでまあいいことにします。
 
以前つぶやきで愚痴ったことがあると思うのですが、チャンバラを書くことが当初は好きだったのですが全然思ったとおりに書けないので最後は嫌いになりました。いい年した奴らが一日ぶっつぶしてチャンバラ大会やるって、お前らその姿を故郷の両親に見せられるのかとなんど問い詰めたくなったものか。というよりも、『強い』ということを実感したことがない(格闘技経験は剣道の3年間だけ)人間が強い人間の戦いを描こうと思ったこと自体が間違いだったと思います。最後の方は差別化が難しく、黒田なんかがコスモとかかめはめ波とか言い出すんじゃないかとヒヤヒヤしてました(神足はかめはめ波出してましたが)。まあ、超人の世界に行っちゃった人も数人いましたが笑って済ませられるレベルだったかなと思っています。
 
『はじめの一歩』を立ち読みしていて、やっぱりアクションはマンガだよなー、と思ったことも数え切れません。上手なアクション小説家のアクション描写はヘタな漫画家のそれよりきっと臨場感があるのでしょうが、同じレベルならやっぱり絵を使える方がステキです。どれだけ絵日記にしようと思ったことか!



ふー。あとは、私の印象に残った人たちのお話を。
 
◇黒田聡・・・モデルになっているホスト系の女たらしがめちゃくちゃいいひとで、女にもてるのは当然だけど男にも軒並み好かれるという男でした。だからいい奴目指しました。でも平気で二股三股かけてます。これもモデルになった人物そっくりです。
 
◇国村光・・・途中、どこかでコメントが入ったと思いますが、胴体術と呼ばれる運動方法を提唱されている故伊藤昇先生をイメージして書いています。コイツがいつ“氣”だとか言い出すかと気が気ではありませんでした。
 
◇葛西紀彦・・・地味ーで才能ない人の見本みたいな感じなのですが、ちょっと周囲のバケモノ化につれてこいつにもバケモノ属性をつける必要があったので、高体温症になってもらいました。進路を間違えた男です。きちんと道を選んでいたらカルト新興宗教の教祖になれる体質だったのに。
 
◇神足燎三・・・最後までちょいキャラのつもりだったので、『燎三』を辞書登録しませんでした。秋谷の『佳宗』も一緒です。ずっと「燎原三つ」って打ち込んで削除してました。はじめはペテン師だったのに最後は狂人に。こいつが最強トーナメントのチキンレースぶりを象徴しています。それにしても私の作る苗字ってカ行ばっかりですね。
 
◇真城雪・・・雪ネエの『鳥瞰視野』は本編中に出す機会がなかったのでこちらで書かせていただきました。サッカーの中田選手が本当にそうかどうかは知りません。こいつと秋谷の戦いは加筆します。
 
◇佐藤良輔・・・こいつの設定は書きながら考えてました。なんでこんな後ろ向きの設定を考え付いたんだろう。何か悪いものでも食っていたのか、あーそうか、この頃の私生活は大変だったんだ。人間って醜いなあって思ってた。そうか、何かに癒されたかったのか。そう思うと癒し系ですね。バカだし。忠犬ですし。ぜひ的場さんと幸せになってもらいたいものです。まあムリですが。
 
◇おチビさん・・・少しでも目立たせたかったのですが、やっぱり出場者でもなくチャンバラを見る目もない女性に出番は少なかったですね。製本化の時はもう少し増やしてあげたいけど。うーん。
 
鈴木秀美・・・そういえばコイツも出てたなあ。最後の方で、予備校でこいつと話す青島千尋はおまけ文書に出てくる青島千尋です。運命っておっかないと思います。
 
◇真壁啓一・・・こいつも出場してたらいいところまでいっただろうになあ。
 
笠置町翠・・・キャラ変わってましたね。翠’って感じでした。鼻にティッシュ詰めて歩き回る女になるとは思っていませんでした。がんばれヒロイン。
 
◇他の人たち・・・寺島薫は製本版ではもっとがんばってもらいたいと思っています。佐藤戦を逃げ出した内田は一回戦でステキに勝ちます。戦い方に哲学持ってます。秋谷もがんばれ。どう描写するかわからないけど、とりあえず『昴』でも読むから。誠真にはきちんと負け姿作ってあげます。
 
 
ともあれ長い間ありがとうございました。未熟なチャンバラによくついてきてくださった、とお礼を申し上げたい気分です。
今まで本当にありがとうございました。


2005年3月7日 林亮介