御前崎甲

 11:12

生まれたその瞬間から女性にはもててきたような気がする。それはもちろん自分の秀でた外見に由来するものだろうが、母親と祖母との三人暮らしだった幼児期、その二人に限りない愛情を注がれつづけたことから生まれる意識なのだろう。だから小学校にあがり、…

 9:23

目から火花が、喉からは苦痛のうめきが漏れた。どれだけ実戦を積もうが人間が鉄になるわけがない。苦痛を耐え生命をつなぎとめる力(と覚悟)があっても、平時で人とぶつけた頭の痛みを無視することはできなかった。 「いってえ! 真城さん頭固いよ!」 「…・…