的場由紀

無事生還。無事生還。 無事生還。 薄情なようだけど、自分がいま生きてこれを書いているというのが何よりも嬉しい。 今日は朝九時から準備ならびに警備を開始し、一四時半で第二層と第三層の工事がすべて終わるまで地下で戦っていた。予定では今日の作業はタ…

自分の耳には全て同じ音に聞こえ、自分の目には全て同じ動きに見える。それでもその男が一度一度うなずいたり舌打ちをしたりしていることから、そこには戦士たちにしかわからない何が違いがあるのだろう。訓練場側壁に設けられ、内部と外部をつなぐ通用口の…