迷宮街に来てまだ十日でしかないことに驚いた。 目がさめたら大変な筋肉痛だった。昨日は二度戦闘があったし、何より手傷を負った。怪我をすることに慣れていないから当然身体はこわばってしまい、そのために使う必要のない筋肉に力が入ってしまっているのだ…
「陸ー! こっちこっち!」 内藤海(ないとう うみ)は改札口に現れた人物に手を振った。その人物の、茶色のコートの袖につけられたボアがふわふわと揺れる。駆け寄ってくる妹を暖かい気持ちで見つめた。 「お疲れ様でした陸さん。京都駅まで迎えに出てもよ…
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