ふー。さあ、カレンダーにまたバツをつける日々が始まる。今度は三月九日。ゼミの女性陣の卒業旅行の前、由加里だけ関空出発にしてくれるとのこと。あと二ヶ月とちょっとだ。夕べ越谷さんに訊いたら鞍馬温泉までは自転車が簡単に通行できるくらいの雪だというのでまずは鞍馬温泉に連れて行った。なんでも夕べは話し込んでいるうちに銭湯の時間が過ぎていたらしく、朝一番に風呂に入りたがったからだ。それでも雪が残っていたときに俺の運転では不安だったので暇そうだった津差さんに運転をお願いした。ついでに星野さんのところの由真ちゃんと、高崎さんの息子の隆一くんも一緒に行くことに。由真ちゃんはすっかり由加里になついた。由加里は子どもの相手が上手だと思う。いいお母さんになるんだろうなって一体何を書いているのか、俺は。
鞍馬温泉を出たのが一時過ぎで由加里の新幹線は一五時だったから遊ぶにも時間がなく「ハンバーグハンバーグ!」 と叫ぶ子どもたちの熱意に押されてびっくりドンキーでお昼ご飯にした。そのまま俺たちは京阪に乗り京都駅に向かう。なんだかどたばたしていたけど湿っぽくならなかったのはいいかな。また二ヶ月とちょっとで会えるんだし。
で、由加里を見送った後俺は本屋で立ち読み。入れ違いに木村さんがやってくるのを迎える約束をさせられていたのだ。由加里だって国際会議場まで一人で来たというのに。久しぶりの木村さんは相変わらず男前で、でも少し太ったかな。卒論でずっとこもりっぱなしなのだろう。この人は痩せすぎで背も高いのでこのくらいがちょうどいい。
街に着いて木賃宿六階のセミダブルの部屋を取ってあげたらその時点で「ご苦労」とお払い箱になった。酒につき合わされるのかなと覚悟はしていたけど、それまではしゃぎ過ぎで疲れていたから正直助かった。北酒場に行くとまた宴会に引きずり込まれる気がしたのでコンビニでお弁当を買って食べた。昨日の夕方、由加里がシャンプーセットを買うために寄ったときにレジにいたのが織田さんだったので、今日は根掘り葉掘り訊かれることに。この人も暇なんだなあ、きっと。元旦もこの街で餅つきに参加するらしい。
さあ、もう寝よう。