第二層で地図ができている個所をすべて歩き終わった。曲がりくねった洞窟だから正確な大きさはわからないけど、歩いている時間だけで五時間はあったと思う。体感的に時速四キロくらいの速度で進んでいるから、ゴツゴツした洞窟内を警戒しながら二〇キロは歩…

まだ日の高い午後四時だというのに店内は半ば以上が埋まっていた。さらにソファ席から届いてくる笑い声は彼らが十分に酔っていることを想像させる。見知った顔が開いたドアの下にある自分を見て凍りついた。新郎の上司にあたるその顔は田垣功（たがき いさお…