2004-01-25から1日間の記事一覧

地上で待機していた高田&星野隊すら臨時に出る必要がなく、第二期の一〇部隊による第一層の移動護衛だけで工事が全て終了した。最終日、一番大変だと思われていた第四層だったけれどもたくさんの助っ人のお陰で無事に済んでよかったと思う。俺も午後から詰…

ユッコにアキ、元気ですか。夢にまで見ただろう秀美さんです。とまあ、先週会ってるんだからありがたみも50%増しくらいかな?(増えるのかよ) あの日なんだけど、迷宮街に帰ったら雪ふってたよ。もうなんというか、私みたいな女にはこの街はつらすぎると思…

 11:29

さ、次の術をと鹿島詩穂(かしま しほ)は気軽な気持ちで視線を移した。昨日の第二層の激戦とは違い、心身ともに余裕があるのはこの日のためにさらに投入された『人類の剣』たちの存在感のお陰だった。自分の師匠や兄弟子、初めて挨拶した数人。彼らが戦闘の…

 11:28

それを疑ったことはなかった。狩人としての自分の能力、狩組の指揮官の常識(さきほど死んだ。ざまを見ろ!)、稼ぎを待っている妻たちの貞節、現在臨時に同盟を組んでいる隣りの村落の行動、いまこの瞬間でもこれだけ疑う対象があったが、これだけは疑った…

 09:07

ドアベルの音には予感があった。覗き窓からはそのとおりの男の顔が見えた。 「毎度」 この男がここ京都で染まった唯一の言葉遣いだ。みんな多かれ少なかれ、とくに北陸や中部、そしてなぜか東北の出身者は一様に語尾に「〜や」がついていく中でこの男だけは…